
夜は、どうしてこんなに静かになるんだろうと思う。
音が消えるというより、
昼の間に無理やり保っていたものが、少しずつ剥がれていく感じがする。
昼間は、なんとかやれている。
仕事もして、会話もして、
自分なりに役割を果たしているつもりだ。
でも夜になると、
その「つもり」が急に頼りなくなる。
自分も、理由ははっきり分かっていない。
ただ、夜になると
気持ちが一拍遅れて追いついてくることがある。
昼の間に感じなかった違和感や、
無視してきた疲れや、
置き去りにしてきた感情が、
静かな時間にまとめて顔を出す。
それは、何かを責めてくるわけじゃない。
ただ、そこにあるだけなのに、
妙に重たく感じる。
賑やかな場所が合わなくなったのも、
たぶんそのせいだと思っている。
音や人の気配で誤魔化せていたものが、
夜になると、どうしても誤魔化せなくなる。
自分は、強いわけでも、
割り切れているわけでもない。
昼に片付けたつもりの気持ちが、
夜になって、もう一度並び直されるだけだ。
眠る前に考えすぎてしまうのも、
きっと同じ理由だと思う。
考えたいわけじゃないのに、
止め方が分からない。
それでも最近は、
「考えてしまう夜がある」ということを、
無理に直そうとはしなくなった。
心が追いつかない夜は、
悪い夜じゃないのかもしれない。
ただ、昼のスピードから降りるのに、
少し時間がかかっているだけだ。
全部を理解しなくていい。
答えを出さなくてもいい。
今日は、そういう夜だと分かっているだけでいい。
自分も今は、
その途中にいる。
夜は、
追いつかない心を急かす時間じゃなくて、
追いつくのを待つ時間なのかもしれない。
▶︎ 夜に静かに過ごせる場所については、プロフィール欄にまとめています。