優しくされると、逆に壊れそうになる理由


優しくされると、

なぜか落ち着かなくなる夜がある。

拒むほどじゃない。
ありがたいと思っている。
それなのに、胸のどこかがざわつく。

自分も、
理由をはっきり説明できるわけじゃない。
ただ、
強くならなきゃいけない時間が長かったせいか、
優しさに身を預ける準備ができていない夜がある。

平気な顔をするのは、
いつの間にか癖になっていた。
自分で処理できることは自分でやる。
頼らないほうが早い。
そうやって、日々を回してきた。

だから、
何も求められない優しさに触れると、
どこに力を入れていいのか分からなくなる。

優しさは、
受け取る側にも余白が必要なんだと思う。
余白がないまま差し出されると、
かえって不安になることがある。

自分はいまも、
その境目にいる。

甘えたいわけじゃない。
守られたいわけでもない。
ただ、力を抜いた状態でいても、
崩れないと知りたいだけなのかもしれない。

夜になると、
そういう本音が顔を出す。

昼間は、
ちゃんとやれていると思える。
でも夜は、
「ちゃんと」の外側に出てしまう。

優しくされると壊れそうになるのは、
弱いからじゃない。
壊れないように、
ずっと力を入れてきたからだと思っている。

自分も、
いまでも時々、
その切り替えがうまくできない。

それでも、
何も求められない優しさが、
少しずつ体に馴染む夜がある。

急がなくていい。
慣れなくていい。
今日は、触れずに終わってもいい。

 

優しさは、
受け取れない夜があっても、
どこかに残っている。

 

自分はいま、
そう信じられるようになる途中にいる。



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